筆者は元永本古今集等と同じ、藤原行成から四世の定実と推定され、平安時代最高の技巧派ともいえる達人芸であり、その表現力の豊かなことは他に類を見ない。特に漢字と仮名の調和には非凡な境地を示している。 ・価格:3,300円+税 ・ISBN978-4-7864-0031-5
技法的に極めて優れていて、仮名としては珍しく砥ぎすましたような冴えた線、端正な姿、漢字と仮名の渾然たる調和、種々な点で著者がたぐい稀なる手腕であったことが示されている。 ・価格:2,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0032-2
この続篇は、細字のところを中心にして編集したものである。小さな仮名が紙面いっぱいに蜘蛛の巣のように張られ、それが吹きくる風に動いて美しい楽の音を奏でているようである。 ・価格:3,200円+税 ・ISBN978-4-7864-0033-9
本書は承香殿女御藤原道子が老齢のときに書いたもので、枯淡であるが、その自由な表現は、いかにも楽しげである。線の進行中に起る屈折がこころよい響きとなり、多く連続した連綿線には人を誘いこむ流れの美がある。 ・価格:2,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0034-6
全体的には円味のある字形であるが、筆力の冴えはきびしいので、単なる円満な書風ではない。字間の連続や断絶が有機的に構成され、リズム感に富む。紙面の面貌に豊かな変化があり、傑出した仮名の劇蹟である。 ・価格:2,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0035-3
伝紀貫之筆高野切第三種と全く同系統の、同筆といってもよい近似性をもっているが、第三種よりやや力強い表現であるのが特徴である。明るく開放的で、端正な形は、仮名書道における基礎的な条件を備えている。 ・価格:3,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0036-0
それは優しい情味のある線で、静かにあるいは少しおしゃべりに、ものを話しかけるようである。平安朝の女性を書的に結晶すれば、このような書風であろうと感じさせる、たけた書風である。 ・価格:3,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0037-7
本書は元永本中比較的散らし書きの多い巻八の全文を収めた。見開き二頁にわたる舞台に、花のように展開される散らしの造型美は、仮名の醍醐味はここに尽きるとさえいえるであろう。 ・価格:3,900円+税 ・ISBN978-4-7864-0038-4
伝紀貫之筆高野切第二種と同手であって、真実の筆者は源兼行である。藤原時代特有のネバリのある線と、寛好なかっぷくのいい形とをもって当代の美的精神を表象している名筆である。 ・価格:2,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0039-1
本書は十巻本歌合のうち、高野切第一種の系統に属し、習字用としては最善の条件を有しているものである。豊かに、静かに、上品に、そしてなにより艶を含んだ書風は「かな」の醍醐味そのままである。 ・価格:2,800円+税 ・ISBN978-4-7864-0039-7