日本第一の書家空海(弘法大師)は、羲之様式を自己のものとして、日本人には珍しいエネルギッシュな書風を形成している。風信帖はそのなかでも代表作。最澄(伝教大師)へ宛てた手紙三通が収められている。一通一面貌で、それぞれの特徴があり、空海の書的力量を遺憾なく発揮している。 ・価格:3,900円+税 ・ISBN978-4-7864-0064-3
平安時代に、書道の日本様式は打ちたてられた。その創始者は小野道風である。そして道風の書は仮名の線や形に通じている。玉泉帖は、楷・行・草を大小取交ぜて、しかも、全体的にうまくまとめ上げた劇蹟である。これ程変化を見せて、おもしろい書表現をしているものは他にない。 ・価格:3,500円+税 ・ISBN978-4-7864-0065-0
"書聖"王羲之の真蹟は残っていないが、それに一等を減じただけの双鈎填墨の資料がある。これらに真筆に迫る優れたものがあるので、ここにそれらを出来るだけ集大成した。おそらく、今日の段階ではこれ程の種類を蒐め、しかも最高の印刷で復元したものはないであろう。 ・価格:4,100円+税 ・ISBN978-4-7864-0066-7
行成は、日本三蹟の一人であり、和様の書法を確立した名人である。行成出現以後、平安時代で漢字を志すものは、これを大空の月のように仰いだのであった。なごやかであるが、柔弱ではない。優雅な藤原美術の粋といえる。この書を習うことは過去の日本美術精神を知る上に極めて役立つといわなければならない。 ・価格:4,900円+税 ・ISBN978-4-7864-0067-4
本書は草書のバイブルである。"草書"を考えるもので孫過庭の書譜を思わぬものはない。その書は王羲之を祖述しているけれど唐という時代の洗練味を加えている。即ち、"草書"の本格性を堅持しながら、自由寛濶である。肉筆による形態の美しさ、運筆の妙味は尽きるところを知らない。 ・価格:6,601円+税 ・ISBN978-4-7864-0068-1
木簡のもつ重要性は、なんといっても肉筆であるということである。と同時にその奔放なばかりのさまざまな書の姿態は、書学者にとっては、まことに限りない線の宝庫である。精巧なコロタイプ印刷により、木簡のもつ真実性を打ち出し、木簡の真の観賞と利用は本書に極める、といってよいであろう。 ・価格:4,100円+税 ・ISBN978-4-7864-0069-8
懐素の書として伝えられているこの草書千字文は、絹本に書かれてあり、一名千金帖ともいわれている。巻首に懐素書と記してある。懐素は狂草の大家とされており、自叙帖のようなそれにふさわしい作もあるが、この千金帖は、極めて静かな、雅趣に富んだ表現を行っている。 ・価格:3,592円+税 ・ISBN978-4-7864-0070-4
日本三蹟藤原佐理の書は、用筆法が華やかなうえに鋭い気迫を秘めている。和様というのは、得てしてでれでれしたものになりやすいが、佐理の書には厳しさがあり、しかも円転自在、流動的なこまかい趣きがあり、俯仰法を巧みに駆使している。流動的な用筆法の勉強には随一無二の手本といえる。 国申文帖をはじめ、詩懐紙、恩命帖など6点を収載。 ・価格:4,600円+税 ・ISBN978-4-7864-0071-1
羲之の行書の代表作・蘭亭叙のうち、唐人摸写の墨書がいくつかあるが、流石に肉筆のものには柔か味があり、その真蹟の面影を偲べるところがある。本書は唐人の摸書といわれる一種と、?遂良といわれる一種を合せて収載した。蘭亭序手本の最高のものとして誇り得るであろう。 ・価格:4,100円+税 ・ISBN978-4-7864-0072-8
原本に署名はないが、その筆蹟の上から道風の真筆と認められる。白楽天の詩を楷・行・草三体に書いて手本としたと見られる。道風の楷書の信ずべきは本書ただ1つで、その優雅性は日本趣味の極致である。行・草二体もまた優れた和様であり、道風の書を知ろうとするものに最良の手本たることを疑わない。 ・価格:3,500円+税 ・ISBN978-4-7864-0073-5